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ヲタママ女医がいろいろ語ってみるか

普段はいたって普通のお医者さん、中身はオタク、一応ママ。少々腐ってます。

今の仕事を選んだ理由

今週のお題「今の仕事を選んだ理由」に投稿。

 

 たまには真面目な事も書こうかなと思ったところに、このお題が来たので、参加。

 というのも、最近、この二つのエントリー読みまして、自分が医師としての仕事を選んで、今までドロップアウトせずやってこれたのは何故かなって、考えてたからというのもあります。

 

 前者の、fujipon先生のことは、10年前位に私が別HNで別ブログ(医療系)してた時から存じてまして(その時少しネット上でも交流させてもらってました)、医療系ブロガーとしては最も古くから活動されているお一人でひそかに尊敬してます。昔も今も変わらぬ口調で10年以上長くブログを続けているのって、凄いことですね。上記のエントリーは、その先生のお人柄がすごくにじみ出た記事だと思って読ませていただきました。

 

 後者の、最近はてな界隈で話題となった、三木さんの記事と合わせて読んでみると、『親が子供になってほしい職業』と『子供が将来やりたいこと』のミスマッチの事とか、人の親として考えることもありまして。

 

 医学部を卒業して資格を取れば食べていける『医者』と、卒業しても食べていけるかどうかわからない『芸術家』ってね、対照的だなあって。『医師免許』と言うのは、食べていく上では最強に近い資格のひとつだと思ってます。

 

「子供が医学部に行って、医者になりたい」ということに、経済的理由以外で反対する親は少ない、むしろ本人にその気がなくても、学校の勉強ができると「将来は、医者か、弁護士」なんて周りがはやし立てる。私が子供の頃はそんな時代でした。

 

 本人が医師になりたくて、医学部に行くのであれば何も問題はないんですが、fujipon先生が言及されている増田さんのように、親が強く進めたからその気はなかったけど入った場合、医学部ほどきつい学部はないんじゃないかと思うんです。

 医学部=究極の職業訓練校みたいなものですから。実習も多いし、試験も多い、しかも6年もある。一個でも試験落とすと、留年。そして、6年かけて卒業しても「医師国家試験」に合格して資格取らないと、6年間がパーになる、つぶしが効かない。他の学部とは隔離されがちで人間関係も限られる。6年間やり過ごしてやっと合格しても、病める人を相手に神経をすり減らし、いつ呼び出されるかわからない携帯を枕元に置いて体力をすり減らし過ごす日々。ミスしたら、場合によっては人の生死にかかわる事もある重い責任ものしかかる。

 ここまで書くと、『医学部なんて行くもんじゃねって思いますよ、ほんと。

 だから、医学が肌に合わないと思って、他にやりたいことがあれば早めに進路変更することをお勧めします。それか、fujipon先生が言われるように、生活を保障する資格として保持してから自分の進みたい方向に行くか。好きで入学した芸術系の大学(芸術系の大学って、それが好きじゃないと行かない学部ですよね)の卒業生でも、芸術方面だけで生きていくのが難しく、好きなこと以外の事をして収入を得ている事を考えれば、医師の仕事しつつ、好きな方面のこともやっていくのもありですからね。

 

 と、一般的な事はここまでにして、ここからは、自分が医師になった理由について、超個人的な事を書いていきますね。

 

 私は、実家が開業医でも、医師家庭でもなく、フツーのサラリーマン共働き家庭の両親の元に育ってますので、親に勧められて医学部に行ったということでは一切なく、成績が良いから高校の先生に勧められたとかもなくて、一応自分で医学部に行くことを選びました。

 でも、そこに「人の命を救いたい」とかの、崇高な理念があったわけでもなく、医学に特別興味があったわけでもなく、一番の理由は

「医師になれば、食いっぱぐれることはなさそう。そして、こんな私でも少しは人の役に立ちそうだし、今の成績なら地元の国公立医学部に現役で入れそうだし・・」てことでした。家は裕福ではなく、高校も奨学金貰ってましたし、都会の大学生にあこがれる気持ちもあるも、都会は家賃も高いし仕送り大変になるから無理なのはわかってたので、近場の大学に行こうと決心して、地元の医学部を受験、そして運よく現役合格したのが医学部に入学したきっかけです(浪人も考えてなくて、この地元の大学医学部以外受験しなかったんです。今思えば、落ちたらどうしてたんだよ・・と)。

 

 進路を決めるとき、親に「医学部行こうと思うんだけど・・」って言ったときの、親の「え??????」って顔、今でも思い出せます。高卒の両親は、大学に行って、学校の先生か薬剤師にでもなってくれればいいかなって気持ちでいたみたいですから。それでも、子供が行きたいならって、さして反対することもなく、「お前が卒業するまで、沢あんとご飯で何とか生活するわ~」と、6年もかかる医学部に通わせてくれました。

 幸い、入った医学部では、苦楽を共にした友人もできたし、ヲタ友にも恵まれたし、人づきあいが特別得意でなかった私も、そこそこなじめまして、無事に卒業することができました。

 その後もドロップアウトすることなく、結婚後も、出産後も、常勤臨床医としての仕事をやっているわけです。

 

 (リンク先のfujipon先生の記事より抜粋)

個人的な経験のレベルですが、医学部に入ってもドロップアウトしてしまう人というのは、勉強ができないわけではなくて、「対人援助職には向かないキャラクター」を抱えていることが多かったのです。
 こういう人には「勉強はできる」人が多くて、だからこそ医学部に進学してしまう、という悲劇も起きやすい。
 率直に言うと、勉強がものすごくできる「天才」というのは、医者の世界にもごくひとにぎりしか必要ないし、普通の臨床医に必要なのは「慢性的な寝不足に耐えられる体力」と「地味で結果が見えない仕事を地道に続けられる忍耐力」、そして、「気分転換の上手さとバランス感覚」だと思います。
 極論すれば、「体力があって、いいヤツ」ということです。

 

 

 私が、医師の仕事を続けて来られたのは、学生時代10年間やってたバレーボールで培った体力と、部活後の深夜のヲタ活動で身に着けた慢性睡眠不足でも動ける体と、オンオフ切り替えれる気分転換の上手さだなあって、上記の記事を読んで感じました。決して医師の中では、勉強ができるほうではないのは重々承知しておりまして。それより、色んな事を同時にこなす、要領の良さと、器用さの方があるかなって。

 『体力があって、いいやつ』に、一応当てはまるんでしょうね。いいやつかどうかは、さておき。あと、地味な臨床医に必要なのは、時々もらえる患者さんからの感謝の言葉だけで、それまでの苦労が帳消しにできる『単純さ』じゃないかと思ってます。

 ある意味、仕事を忘れて、趣味に夢中になれるヲタクであることって、医師と言う仕事を続ける上ではマイナスなことではないなあと最近考えてたりします。

 

 医師免許取って、よかったと思うことも沢山ありますよ。

 

 医師って、当時高校生の私が思っていた通り、女性が(男性もかな)一人でも食べていくために最強の資格の一つなんです。そこに人がいれば医療の需要はあるので、選びさえしなければどんな都会でも田舎でも食うに困らない就職先がある。

 高校生の時思ってた、親元を早く離れて、親に頼らず生きたい、出来れば親に楽させてあげたいと言う思いも実現できました。結婚できるかわからないし、一生独身でも生きていくこともできる。自分に生活できる能力があれば、たとえ無職な人であっても、好きな男性と一緒になることもできるし、嫌なら経済的な事考えず、離婚することもできる。

 自分だけで自立して生きること、生活できることが高校生時代の私の目標で、それは今、十分達成できているんですね。

 

 誰に強要されたわけではなく、深く考えず、のほほんと、その時その時を選択して、自分のやれる範囲の事をやって、約3〇年、生きてきたけど、人生無駄なことって少ないな。

 10年前位に趣味でやってたブログで夫と出会って結婚したこともそう。興味を持ったことは、やってみる精神でチャレンジ。

 

 だから、娘には娘の選択をしてほしいし、自分で進路を考えてほしい。医師になってほしいとも思わないし、できれば自分で好きな事を見つけてほしい。将来的に食べていけるかどうか分からないからと言う理由で、進路をこちらであれこれはしたくない。高校生当時の私が、親を見て、自分の資質を考えて進路を選択したように、娘もきっと考えるでしょ。失敗したら、そこは自己責任。自分で選んだことなら、誰かのせいにして逃げることもできないから。

 芸大とか、音大とか入れるなら入ってみてほしい。反対はしないなあ~。私が思うに、医大に入るより、国立芸大に入る方が狭き門です。娘が、そういう大学に入ったとしたら、むしろ喜んじゃうかもしれない。娘の夢を応援できるのも、今の仕事をしているおかげかな。

 

 あと、医師免許あると、こうやってブログで「ヲタママだけじゃなくて「ヲタママ女医」って名乗れて、少しだけブログタイトルにインパクト出せてアクセス稼げるっていうささやかな特典もある・・・かもねw。