ヲタママ女医がいろいろ語ってみるか

普段はいたって普通のお医者さん、中身はオタク、一応ママ。少々腐ってます。

「コウノドリ」18巻

 TVドラマ新シリーズ発表に興奮してる中、ついに「コウノドリ」18巻発売されました~~~。

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  単行本の帯には「大きな背中に背負う、小さな命」というキャッチコピーが。同業者としては、サクラ先生が背負う日々の仕事の重圧に思いを馳せてしまいます。子供と母親の二人分の命、小さくなんかないよー。

 新ドラマ化発表もあってか、18巻表紙のサクラ先生は綾野さん演じるサクラ先生にすごく似てる。お美しや・・・(とりあえず拝む)。

 

 18巻は「不育症」「1か月検診」「繋留流産」「聴覚障がい」の4シリーズ収録されてます。

 はっきり言って、不妊治療、流産経験のある方には、つらい時期を思い出させてしまうかもしれない内容です。でも、産科をテーマに描いている作品である以上避けて通れないテーマではないでしょうか。少なくとも、18巻を読んだ後に「あなた、〇〇だから子供ができないのよ」だの、子供のいない夫婦に「まだ赤ちゃんできないの?」なんて言えるはずないと思います。

 

 では、以下ネタバレ含む感想です。未読の方は注意!

 

不育症

 流産を繰り返す、篠原さんご夫婦。

 流産の原因は、ほとんどが受精卵の染色体異常で、「抗リン脂質抗体症候群」等、原因が特定されることは少ないと描かれています。

 医師にも特定の原因がある患者さん以外は、治療することもできない。

 四宮先生の「産科医にはどうすることもできない」

 サクラ先生の「僕もそれ(=願う)しかできませんでした」というセリフが重く響きます。

 

 特に、医師としての私が共感したのはサクラ先生の、

 『患者は「これが原因だ」って言ってくれる医師を求めるし・・・医師だって何かしらの異常があって治療するほうが楽だよ』というセリフ。

 医師の仕事をしてると、原因がはっきりしない疾患も多いし、年齢と体質の為としか言えない事も多い。一つの事が原因でないことも多いし、同じ疾患で同じ治療をしても、同じように治癒するとは限らない。原因がわからないからと言って治療法がないとも言えない。原因がわからなくても、対症療法で治ることもある(=生物としての自然治癒能力)。逆に原因がはっきりしてるのに、現代医学では治療法がないものもある。臨床というのはそういうものと、多くの患者さんに接する医療従事者は日々感じてますが、患者さんはそうじゃないですよね。

 世に民間療法や代替療法が流行るのも、

「あなたの悪いところはコレだから、こうすれば治ります!」という言葉をみんなが期待しているのもあるんじゃないでしょうか。

 サクラ先生が篠原さん夫婦に説明していたように、医師も患者さんに納得していただけるように説明していく必要があると感じています。説明上手なサクラ先生を見習わないとね。

 

 最後、4度目の正直で心拍確認できた篠原さんの涙は美しかったな~。そして、その時のサクラ先生の微笑みも。

 

一か月検診

 電車通勤中のサクラ先生が可愛い。。。もとい、助産師さんと看護師さんの違いについて説明させていただくと、助産師さんはもともと看護師の資格を持ってらっしゃって、さらに助産師の資格を取られた方なので、看護師としても助産師としても働ける方々なんですよ。

 産後の寺島さんが登場。やや母乳育児にこだわりがある様子。赤ちゃんの命や発育に問題がなければ、お母さんがやりたいようにとサポートするペルソナスタッフの姿勢は素敵だな~。

 真面目に取り組むお母さんに、「あなたのやり方は間違ってるから、こうしてください」というのは逆効果なこともありますし。その人のやり方を認めつつ、でもこうするともっといいですよとアドバイスしていくのは、私もいつも外来でやってる説明の仕方です。甘いといわれればそうかもしれませんが、、、(工藤先生に怒られるタイプ)。

 自分を思い出すと、産後6か月での仕事復帰目指して、最初から完全母乳にこだわりなく、混合で育てて特に問題なかったですし、なにも言われませんでした。というか、子供を診察して、私を内診等でチェックして「うん、順調」くらいしか説明もなく、わたしも「ま、こんなもんか~」となんにも考えてなかったから、もっとあっさりだった気がします。産前産後もそうだったんですが、「医者なら言わなくてもわかるでしょ」な雰囲気がありましたねーーー、コラッ、こちとら出産も子育ても初めてじゃー!産婦人科の知識なんて国家試験が終わったらほぼ消失してるわ~~と言いたかった私ですが、よく考えると「何か困ったことは?」と言われて「特にありません」と言ってしまった自分が悪いのですよ。そりゃ何も言われないわ・・。

 困ったことがあったら、ちゃんとドクターや助産師さんに聞きましょうね。初めての育児で「いえ、全然大丈夫です」なんてことないの、みんなわかってますから。

 

繋留流産

 妊娠がわかり、ウキウキの早川さんに繋留流産の宣告が・・・。

 私も経験があって、早川さんとまったく同じで、心拍確認前に母子手帳貰いに行って、その後に流産が判明したんですよね。あの時はつらかったな~(と、今はもう思えます)。夫には話してたけれど、実家の母にはずっと言えませんでした。やっと言えたのは、二人目の不妊治療もあきらめたころ。妹の子供が産まれて、「あなたはもういいの?」って聞かれたときに、やっと流産の事や不妊治療してたことを話しました。正直、娘が小学生になって、甥っ子が産まれたから、私はもういいか~って解放されたところがあって。

 最後に、死産編の時にアリサと作った、ベイビーの「For Tomorrow」が出てくるとは思わなくて、思わず涙。二人目できなくたって、明日は来るし、今は家族三人楽しく生きてます。つらい気持ちも、毎日一生懸命前向いて生きていたら時間が忘れさせてくれるのは確かですよ(かといって、その時の気持ちを忘れるわけではないんですけどね)。

 

 ところで、みんながポリポリ食べてためかぶせんべい美味しそうでしたね~。


 今の季節のビールのおつまみに良さそうじゃないですか。今度取り寄せてみようかしら。

 

聴覚障害

 聴覚障害の可愛らしい妊婦さんが登場。

 難聴の患者さん、ろう者の患者さんがいらっしゃると、やはり診察時間かかります。手話のできるスタッフやボランティアの方に入っていただいたり、ホワイトボードでの筆談、身振り、手ぶり、そして口の動きをよんでもらったり。医療はコミュニケーションが大事ですから。日本語のしゃべれない外国人患者さんも同様。

 一番困るのは、聞こえてないのに聞こえたフリされることなんですよね(特に高齢の難聴患者さんにこの傾向はあります。「聞こえないこと」を恥ずかしいと思われるのかでしょうか)。聞こえてないのか、理解できてないのかの違いは治療の説明をする上では大きいですから。

 ただし、やはり時間がかかるのは事実なので、緊急時には小松さんのように「必要な事を最低限」伝える努力も大事で。手話もできるといいな~と思いつつ、手話のできるスタッフに甘えているので、サクラ先生みたいに少しは覚えたいと思います。

 

 照れてホワイトボードを出す四宮先生・・・ここは是非新ドラマで見たいものですね!ホラ、「産科医はスマイル!」って、小松さんにツッコンでもらいましょ。

 しかし、このお話をドラマでやる場合、ずっとボード越しの会話で「シーン」となるから、演出が難しいかもしれません、どうなるんだろう。ちなみに、リアル現場の実際の診察室は「シーン」としてます。ご参考に~。

 

 新ドラマ発表されてからは、原作を読むとき、このお話は入るかな?とか、ここの演出どうするんだろう?キャストはどうかなと、色々妄想するのが楽しくて楽しくて。

 ドラマ前に是非、原作購入お勧めしますよー。「先の話が分かってたら面白くない?」そんなことないのは、1期ドラマを原作全部読んでからみた私が証明しますから。是非、予習して一緒に妄想いたしましょ。

 さあ、ぽちっとな↓

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  (このブログは、原作者や出版社、及びドラマ制作者とは何の関係もなく、またアフェリエイト等も一切行っておりません。純粋な気持ちで、自分が好きなものを好きと伝えているだけですので、ご興味があれば~)

 

 19巻は、9月末のドラマ開始前発売。ドラマともども楽しみにしています。