ヲタママ女医がいろいろ語ってみるか

普段はいたって普通のお医者さん、中身はオタク、一応ママ。少々腐ってます。

そんなに効く治療があれば医師がやっているよ~

 カンファレンス後の雑談をしている時、60代の先輩医師が「同級生に、90歳以上の方々の身体データをとって研究している老年科の医師がいて、久しぶりに会った時に『長生きするために効果的なサプリはないか』って聞こうと思ったんだよね。でも、会ったら、その医師がすごく老けててね、聞くのを辞めたんだよね」と話してました。

 

 また別の日には、こんな記事を紹介するツイートが回ってきました。


 何やってもハゲる人はハゲると

 大学の時、同じ実習班に「俺は皮膚科医になって、ハゲを直す治療を開発する」と言っていた同級生がいて、彼が皮膚科医になったまでは知ってるけど、その後どうしてるかな~?と思い出してみたり。上記の先生のブログを読むと、処方薬をずっと飲み続けないと元に戻ってしまうようですね。

 

 翌日にはこんな記事もツイートに回ってきました。

 

 私、名実ともに小胸でして、若い頃は巨乳への憧れもありました。

 でも、ある時悟ったんですよね。

 貧乳も体質!!と。何やっても治らんと。悩んでも無駄だわと。

 だって、唯一強力なホルモンが体内で産生されて大きくなるハズと期待してた妊娠&授乳中でさえ、妊娠前とほとんど変化なかったんですもの。それが、マッサージだの、認可されてないホルモン剤なんかで大きくなるはずがないよねえ(変化あった人は、もしかしたらがあるかもしれませんが)。

 

 その話をツイッターでしてたら、フォロワーの産婦人科女医さんが「時々外来で、『胸の大きくなるホルモン処方してほしい』って患者さんが来るけど、はっきりと「そんな薬あったら自分で使ってますよ」と言うと納得されるよ~(何故納得されるかはその先生の名誉のため略)」と話してくれました。

 「あ~そういえば私も外来で『やせ薬ないですか?』って時々聞かれるな~。そんなものあったら、こんなにダイエットって自分で言ってないですよねえ」と、しみじみ。

 

 世には、「〇〇したら若返る」だの、「ハゲに効く育毛剤」だの、「胸が大きくなるサプリ」だの、「〇〇飲むと痩せる」だのの医薬品ではない、高額商品がわんさかとありますよね。

 

 ここで言うのもなんですが、

 

 そんないい薬(や治療)あったら、医師が自分でやってますよっーー!!

 

 そして、自分の目の前の患者さんがお困りなら、治療できるものは治療したいと思いますって。自分の持てる技術、知識総動員して治療に当たってます。

 

 医師は全員、痩せててスタイルよくて、男医は髪がフサフサ、女医は巨美乳で、お肌つるつるで、老けてないでしょーか?

 

 そんなことないですよねー(自分を顧みて言う)。「美容皮膚科の先生は綺麗な人が多いじゃん」ですって!?。いえ、はっきり言いましょう「美容皮膚科に進んだ女医さんは、医学生時代から美人な方が多いんですよ」(自分を鏡で見て、こんな人が美容皮膚科してたら説得力なさすぎるわと、とてもそんな分野に行こうとは思わなかったよ)

 

 医師も癌で死にますし、アトピーにもなりますし、腰痛にもなりますし、認知症にもなります。

 「劇的に効くカンタンな治療や、手術しないで治る治療」があったら、多分真っ先にその分野の最先端の医療を勉強している医師みんなが実践してるはずなんです。医師だって人間、出来れば手術は避けたい。簡単に痩せれる方法があれば痩せたいし、キレイにもなりたい。

 医師も知りうる限りの最善策を患者さんに提示しています。ただ、それが患者さんに納得いくもの(というか、ほとんどはやりたくないというのが多い。例えば禁煙とか運動と食事制限とか)でない場合や、提示した治療法を実践しても効果がない場合、世に溢れる代価療法に心動かされるのも人間の心情としてわからなくはないんです(私も考えうる限りの治療をしてもダメだったら、藁にも縋るかもしれない)。

 本やネットに書いてあることが「ウソかホントか」なんて、そこの専門分野をかじってないと難しいですしね(他科の事だと医師でも分からないことも)。

 

 そんなことを考えながら、下記の記事を読みました。

 書店に行くと沢山並んでいる『健康本』。沢山あるのは売れるからだったんですね。

  ついつい職業柄、本の中身より監修してる医師のプロフィールをまず見てしまいます。専門分野であれば、その道の一流の治療をしてる先生は知っていますから。そして、プロフィールをネットで検索。同業だからこそ、この人ちょっと大丈夫かな…と言うのがわかってしまうんです。

 医師は基本理系人間で、一般の方にわかりやすい文章を書くのが苦手な人が多い。やはり「売れる本」となると、売れる文章を書けるプロのライターさんの方が上手いに決まってますしね。

 

 

 上記の記事でfujipon先生が言われることも、凄くわかります。

 特にここの部分

 医者というのは、正しい医療知識の啓蒙をするよりも、日常診療をやったほうがお金になるし、ニセ医学を批判するより、新しい論文を書いたほうが、ずっと大きな実績になるのです。

 例えば一本一万円くらいの医療記事を、論文や文献を一から調べて、一晩かけて考えて書くより、「一泊〇〇円の当直や、数時間の外来」をしているほうが、医師は稼げるのは事実です。沸いて出る「健康情報」に次々とそれが正しいかどうかメスを入れるというのは、大変なことです。間違ってるとはっきり言えるものもあれば、悪くはしないけど、そう劇的な効果も見込めないもの(=が、高額商品)もあり、どこまで追求するかという問題もありますしね。

 外来で患者さんに「〇〇ってサプリ飲んでいいですか?」と聞かれることはしょっちゅうだし、ネットにのってた〇〇の治療、TVで見た〇〇、本や雑誌で読んだ〇〇はどうですか?etc・・・沢山聞かれます。情報過多の時代だからこそ、皆迷う。それを頭ごなしに否定すると、患者さんは自分が否定されたかと逃げて行ってしまうこともあります。

 私は基本的には「確かに、そういうものもありますね。(よっぽどダメだと思うもの以外)悪くはないと思いますが・・と一度は話を聞いて受け入れて、その後、でもその治療法より、まずはこちらの治療をやってみた方がいいかもしれませんよ・・・」という提案に切り替えるようにはしています。

 現場の医師も、そろそろそういう情報に対しての問題提起というか情報発信をもっとすべきではないかと考えていたところ、宋先生が下記のような活動を開始されたようです。

 私の専門としてる科も、女性の健康にはかなり深くかかわってくる分野だと自負しておりますが、協力医メンバーには入ってないみたい。私でもお手伝いできることが少しでも何かあれば。。。と、医師の端くれとしてこの記事を書いてみました。宋先生の活動、応援しております。