ヲタママ女医がいろいろ語ってみるか

普段はいたって普通のお医者さん、中身はオタク、一応ママ。少々腐ってます。

「コウノドリ」19巻

 ドラマ2期開始が目前に迫る中、本日「コウノドリ19巻」発売されました。

 ガッツポーズするサクラ先生が表紙です。

 「新ドラマが始まる」って発表されたときの、コウノドリファンはみんなこのポーズしましたよね。よっしゃ、きたコレーーーーー!!と。

 巻末のおまけ漫画も、ドラマの写真撮影のエピソードが描かれていました。鈴ノ木先生の描かれるドラマ版サクラ先生と四宮先生が見られるとは、ありがたい。

 

 19巻には『NICU Part2編』と『羊水塞栓症』の2編が収録されています。

 早速、独断と普段仕事してて感じていることの雑感含めた、感想書いていきますね。

 

 以下、未読の方は、ネタバレ注意!!!

 

NICU Part2

 後期研修も終わり、自分の科の事なら大体の事が「わかったつもり」になってる新生児医の白川先生が登場。

 確かに、医師になって5年くらいしてある程度自分でできるようになると、医師としての自信がついてきて、もっと〇〇勉強したいとか言い出す頃だな~と若かりし自分を思い出したりしました。

 が、できるようになったつもりの時が一番危ないんですよね。研修医の事は常に指導医が見ているけれど、年数が上がると上の先生にずっと見てもらえるわけじゃない。自分ひとりで判断しなくちゃいけないことがどんどん出てくる。そんな時に、ちょっとした落とし穴にはまって、少し高くなった鼻をへし折られるんですよね。見落としてたことを、上級医に指摘されたりして、ハッとしたり。

 専門を同じくする医師が複数いる病院にいてありがたいなと思うのは、「なんか治療が上手くいかない、この診断であってるのだろうか?」というような症例をすぐ相談できる先輩がいることでしょうか。私は自分のプライドなんかどうでもいいので、ちょっとおかしいかもと思ったら、すぐ相談しちゃうし、誰かに相談されたら一緒に考えます。普段患者さんに接する時間の長い看護師さんや他のスタッフからの報告も参考にしたり、話し合ったりする事も大事にしていますよ(割とナースステーションで看護スタッフとしゃべってることも多いほうです)。

 今橋先生が怒ったのは「稀な症例の診断がすぐできなかったこと」よりも「周りのスタッフの助言をないがしろにしたこと」ですよね。いつでも謙虚に人の話(患者さんもスタッフも)に耳を傾けること忘れないようにしないといけないなと、改めて感じました。

 そして、この話では、以前のNICU編で病院を去った新井先生が素敵な笑顔で再登場。小児科のクリニックでお仕事をされている様子が描かれています。

 総合病院、大学病院での重症患者さんの治療。それとはまた違ったクリニックの治療。昼夜問わず、患者さんを受け入れ緊急手術したりしていた総合病院時代。そして出産後は当直もなしで、9-5時で働く今の自分。結婚して、大学病院を離れて今の病院に変わった時「ああ、もう第一線の医療現場で働けなくなってしまったな」って思ったことは否めないんです。

 でも、今の現場もある意味第一線でした。軽症、重症にかかわらず診て、総合病院時代より一人の患者さんと関わる時間が長い。予防医学にも力をいられられる。例えメスを置いたとしても、医師としての仕事がなくなることはないし、やれることも沢山ある。 

 医学生の研修プログラムには入ってないけれど、病院実習だけでなく、もう少し小さな病院、回復期リハビリ病院なんかで、病院を退院した後どういう治療が継続してなされているのか、そこで働く医師(子育て中の女医さんとかも多いから、女子医学生の将来の参考になる医師は大学病院よりもむしろこちらの方が多いのではと思う)の姿も見てもらえたらな・・・と少し思います。まあ、大きな病院で働くことに比べると、地味ですけどねえ~~~~。

  高い鼻をぽきっとへし折られて、新井先生と話をして、さらに研修をするため大学病院へ戻る白川先生と、「人生の目的や目標、事情が変わればそんな日はくる」って白川先生を送り出す今橋先生の師弟関係にウルウル。ペルソナの上司はみんな素敵な先生ですね。下屋先生ともいい感じじゃないですか、白川先生。ドラマでは、白川&下屋のLOVEも少しは進展・・・・・ま、しないでしょうね(笑)。

 

 早産してしまった二人のお母さんの一人、井手さんのつらい過去も胸が締め付けられる思いでした。障がいや持病がある子供を育てているお母さん(お父さん)方への支援はまだまだと感じています。アレルギーがあるから学童入所を断られた、てんかんがあるからプールの授業の時には家族の付き添いが必要と言われた、私の身近でもこんな話を見聞きします。母親も父親も育児休暇だけでなく、看護休暇、介護休暇とかも取りやすい世の中になるのはいつのことでしょうかね(身近で診てる医療従事者のブラックな仕事ぶりをみてると、遠い先に思えます)。

 

羊水塞栓症

 突然、出産直後の母親が死亡。原因は羊水塞栓症で、母体死亡率は60%にも上るそうです。しかも、予測できない疾患で予防は出来ない。頻度は2万~3万分娩に1例とはいえ、それが自分に起こらないとも限らない。出産はやはり命がけですよね。

 助産師として長年働いている、小松さんの友人の武田さんが妊婦さんになって登場します。小松さんと武田さんの学生時代の話はよいですね。医療系の学校は、実習も試験もたっぷりで、こなすのが大変。そこを共に支えたった友人は戦友のようなものです。

 助産師だから、大体の事はわかってるとはいえ、自分が妊婦の立場になって自ら経験すると、また違った印象があるようです。働いてて思うんですが、自分が病気になって入院しても、家族が病気になって看護しても、自分の仕事には全部プラスになるんですよね。自分が患者になった時にやってもらって嬉しかったな、これはちょっとなということが全部仕事にフィードバックできるから、この職業は病気になるのも芸の肥やしというか(まあ、これは言いすぎですが)。

 研修医時代の「爽やかシノリン」を知ってる武田さん。(しのりん呼びがまさか原作で出てくるとはビックリ)。

 そこのところ、もっとkwsk(詳しく)!!!(笑)。若四宮の爽やか時代、もっと見せてもらってもいいんですよ~~。実家が産科医院で「ジュニア君」って言われていた研修医時代のアレコレをね、我々是非拝見したい。ドラマでは描かれるのでしょうか、ちょっとだけ期待。

 

 あ、つい自分の願望が出ていしまいました。話を戻しますね。

 

 ついに帝王切開での出産の日を迎えた武田さん。

  が、悪夢再び!

 

 ベットの周りに広がる血の海に、冒頭の妊婦さんの事が頭をよぎります。

 

 ただ違ったのは、そこが前回と違いすぐ救急処置ができるオペ室であったこと。あの四宮先生ですら「船越先生がいて良かった」と言われてるように、どれだけ早く高度な治療が受けれるかが命を分けることもあるのです。

 武田さんを救えてよかった・・・・最後は読んでいて涙が止りませんでした。サクラ先生の安堵の顔、それを見守る四宮先生の笑顔(あれは十分笑顔)、元気な武田さんを見て泣く小松さんの涙にもらい泣きです。

 

 私は他の科がない単科の病院で働いています。最近は高齢の内科的な合併症を多く持った患者さんが手術を希望されることも増えました。麻酔科の常勤医の先生はいらっしゃいますが、万一手術中に心筋梗塞を起こしたら、または不整脈脳梗塞を起こしたら?術後に肺塞栓を起こしたら?とひやひやしながら手術をしています。自分のする手術の事より、内科合併症の管理のほうが正直気を使います。各科が揃った総合病院ならすぐに他科の先生を読んで対処できることも、うちでは他院に搬送するしかできない。その時間で生死を分ける可能性は十分にあるんです。

 術前の検査でリスクが少しでもあると判断したら、総合病院へ紹介することも増えました。それもすべて、万一に備えてです。事が終わって何もなかったから、総合病院まで行かなくてよかったじゃないかと言われてもそれは結果論ですからね。すべての患者さんに、何も起こらず無事に手術が終わる事が一番ですから。

 

 最後に、 19巻発売記念に~と、久しぶりに原作の四宮先生を描いてみました。

 ドラマでのツンデレな活躍期待しておりますよー(原作はツン9割、デレ1割。ドラマは7:3くらいのツンデレ具合ですよねえ)。最近の原作の中では悩むサクラ先生を優しく見守る役割が増えましたね。19巻でも沢山の「サクラ」が聞けて私的には満足です。

f:id:otajoy:20170920170329p:plain

 (画力はまったく上達していません。練習する時間プリーズ)

 

 20巻は、一か月後の10月23日発売だそうです。前回のドラマの時同様、一か月で単行本連続発売とは、これ鈴ノ木先生大忙しじゃないでしょうか。忙しすぎてお身体壊されませんように。

 20巻は四宮先生の素敵な笑顔が爆発する巻(見たら惚れちゃうよ)になるはず、発売が楽しみです。

コウノドリ(20): モーニングKC

コウノドリ(20): モーニングKC