ヲタママ女医がいろいろ語ってみるか

普段はいたって普通のお医者さん、中身はオタク、一応ママ。少々腐ってます。

ドラマ2期「コウノドリ」第3話感想

 3話!!

 

 な、なんかすごかった・・・。あらゆる意味で怒涛の展開すぎて、見終えた瞬間、どっと脱力しました。

 

 

 3話のテーマは「産後うつ」と「無痛分娩」

 

 「産後うつ」は、今週発売された原作20巻に収録されています。産後うつについては、そちらにも感想書いているので、今日医師の私からドラマを見て思ったことを書いてみますね。

 産後の佐野さんの心が壊れていく様子が丁寧に描かれていて、産後の自分を思い出して辛くなった方もいらっしゃったのではないでしょうか。特に、家にずっと赤ちゃんと二人きりでいると「世間から取り残された感」が凄いんですよね。すべてが赤ちゃんのペースで、自分のペースでできる事が何もない。勿論赤ちゃんは全力でお母さんを必要としてるんですよ。でもコミュニケーションが取れない。ホントに同じことを繰り返しやるだけの日々。

 ここにもう一人手伝ってくれる大人がいれば、交替できるものが、ワンオペになるとずっと一人。何やっても泣き止まない赤ちゃん見ると「ああ、もう!!」ってなっても全然おかしくないんです。私は実際なりましたし。勿論娘は可愛いんですよ。

 赤ちゃんが可愛いのと、育児が辛いのは全然別物ですからね。

 赤ちゃんなんて、産まれたばかりはおっぱい飲む以外ほどんと眠ってる…なんて産前は思ってましたよねえ。ま、個人差はあるとは思いますが、驚くほど寝ませんよね、赤ちゃん(正確には、抱っこしてないと寝ないことがほとんど)。寝たと思ってベットにおろした途端背中センサーがついて「ギャー!!」でしたし。ほんと「泣きたいのはこっちだよ・・・」状態。

 佐野さんの同僚の女性がきたときのお部屋の状態と、普段のお部屋の状態の違いが、インスタグラムやFacebookに載せてる写真と、ツイッターの写真の違いみたいでした。他のお母さんがキラキラ見えるのは、外ではそう見せてるから。ほら、試験行くと、周りのみんなが賢く見えるのと同じ状態のアレです。みんな家では髪振り乱してるはずなんだけどなあ。育児中にツイッターで同じような愚痴を言ってるお母さんのつぶやき見て、心が救われた人もいるんじゃないでしょうか。

 

 佐野さんを最後に救ったのは四宮先生でした。佐野さんのような「自分は大丈夫」みたいなタイプの人は、質問票にも悪いことは書かないだろうし、聞いても弱音を言わないことが多い。誰かが「それは病気!治療すれば治せる」ってはっきり言ってあげることが必要だったんだと思います。実際、普段の外来で患者さんのメンタルケアまでできるかというと、正直それは難しく、お話聞いてその傾向があるかなと思って「精神的なストレスとかないですか?」ときいても「ありません」と言われる方を、精神科や心療内科に誘導することって難しいんです。家に急に保健師さんが来てもびっくりするでしょうしね。

 サクラ先生が、過去に産後のお母さんが自殺されたことを忘れない気持ちはわかります。私も患者さんに自殺されたことありますし、その時のこと思い出すと「自分に何かできる事はなかったのか、気付けなかったのか」って後悔が今でもある。

 でも、気付けたとしてその方にできる事は、専門科に紹介することくらいしか結局なかったのかもしれません。四宮先生の言うように、診察室の数十分の診察でできる事なんて限られている。今橋先生が小松さんに言った「感情の赴くままに患者さんの心に踏み込んでいっても、逆に彼女たちを追い詰めていくこともある」と言うのも、確かにそうだなと。一人一人皆さん性格が違うから、サクラ先生&小松さんのような対応で救われる方もいれば、四宮先生の対応で救われる方もいる。ほんと、医療にこれが正解ってなかなかないですね。

 「すべての患者さんの家族や、背景まで背負うことは俺達にはできない」。そこまで背負ってしまうと、こちらの心がつぶれかねない。「お前が大丈夫じゃないんだよ」ってサクラ先生が言われたようにら医師も感情に流されると心を病んでしまうことはあるんです。医師は「患者さんとは一線を引いて、プロとして」接することで、自分の心を守ってるところはあるのかもしれません。

 核家族化が進み、ワンオペ育児という言葉が生み出されるなか、周産期のメンタルヘルスケアも重要視されてきているようです。母親の健康は、子供の健康にもつながりますしね。

日本周産期メンタルヘルス学会

 精神科の先生に教えていただいた学会のHPをみて、私もいろいろ勉強したいと思います。産婦人科でなくても、私の専門科でも産後のお母さんは沢山来られて診ています。どこかで誰かが気づいて次につなげてあげられたらいいんですもんね。冷静な第三者の意見って言うのも、大事じゃないかな。

 

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  (佐野さんに差し伸べられた四宮の手、サクラの肩に置かれた四宮の手。一つの手が誰かを救うこともある)

 

 無痛分娩

 

 佐野さんの展開が辛かったぶん、山崎さんご夫婦には癒されました~。周りのいう迷信を信じちゃう人って、よくあります。無痛分娩編は原作では10巻、迷信を信じちゃう妊婦さんは11巻の「フルコース」編にありますよ。原作11巻のフルコース編の白鳥さんへの、四宮先生のツンデレフルコースは必見ですので、是非ご一読を。

 山崎さんの旦那さんの「お腹痛めないと親になれないんなら、男の俺はどうやって父親になるんだよ」ってよいセリフでした。ほんと、そうだよ、そうだよ。どんな出産方法でも、母子ともに無事に産まれてくればいい、出産方法で親の愛なんて変わらないもんです。

 無痛分娩が日本にもっと広まるには、麻酔科医、産科医のマンパワーがもっと必要ということです。今回のドラマでは、船越先生は出てこないのでしょうか。麻酔科の女性医師が硬膜外麻酔されてましたね。麻酔科にああいう女医さんいるな~って思ってみてました。

 

 最後に謎の美女が搬送され、来週は帝王切開後の自然分娩(VBAC)のお話も入るみたい。四宮VSゴロー先生のバトルもさらに燃え上がりそう。楽しみです。

 

 

 あとは、思ったことをつらつら書きますね。

 

 

3話が何が凄かったかというと、何はともあれ

 四宮先生カッコよすぎるだろ~~~~~。

 

 ドラマ1期ではサクラ先生に陰ながら支えられていた四宮先生が、2期ではサクラ先生を支える側に。

 いつでもサクラ先生を気にしている様子がうかがえます。

 控室で、サクラ先生の話を聞く四宮先生。。。途中まで聞いていた下屋先生が何かを察してフェードアウトしてからの、肩に手!!そしてCM~~~~~~~.そこでCMっ!! CMの間に、「お前が大丈夫じゃないんだよっ」って、サクラ先生を抱き寄せて落ち着かせたよね四宮先生は、きっと。そこは暗にそういう妄想してねって言うCM入りだよね。そうに違いないっ。違うかな?

 

 佐野さんの旦那さんに、またもビシッと言ってくれましたね。

 「夫婦は二人で一つ?なんだそれ。人間は死ぬまで一人だよ、夫婦でも別々の人間だからこそお互いを尊重し合う。そこで初めて助け合えるんだろうが」

 佐野さんの旦那さん、そう悪い人じゃないと思うんです。ただ、状況をよくわかってなかった。産後の女性のメンタルはかなり弱くなってて、この時期に夫にされた嫌だったことって、ずっと覚えてたりする女性が多いんですよね。そこを知っていれば、対応も変わってたと思う。3話こそ、男性にも見てほしい話です。

 イクメンなんて特別な言葉はほんとはいらないと思います。父親になったら、普通に育児もする。イクウーマンなんて言葉がないのと一緒で、子供の母、父でいいじゃん。父親が育児をしたらイクメンってもてはやされて、母親が働いたら「子供がかわいそう」ってそりゃなんじゃ?と前から思っておりましたとも。

 長時間労働を強いられる日本の男性のジレンマもちゃんと今橋先生が語ってくれました。家に帰れないお父さん達だってつらいと思うんです。

 「お母さんは誰にも頑張ったなってほめてもらえない」 し 「お父さんだって誰にも頑張ったなってほめてもらえない」し。「育児、家事ありがと」「仕事してくれてありがと」くらいお互い言えるといいですねえ~。共働きなら「どっちかが何かしてくれたらありがとう」そうやってうまくやっていきたいものです。夫婦なんて元は他人同士なんだもの。

 サクラ先生も四宮先生に「ありがとう」って言ってましたねー。四宮はちょっと照れ臭かったのかごまかしてましたけどね。嬉しい癖にコイツ。。

 

 ドラマのゴロー先生が、原作と違い、なかなかに可愛げがないです(笑)。が、それが逆に「ああ、こういう研修医いるいる!」っていう感じがします。

 検査結果の事の重大さが今一つわかっていなかったりするところとか。指導医に怒られて伸びるタイプと、ほめると伸びるタイプがいるので、そこの見極めも大事です。

 「もう産科には来るな!バカ!」なんて言われたら、ほんとに来なくなった・・・事例はあります。下屋先生のビンタも食らったし、彼には頑張ってもらいましょう。

 

 最後に、加瀬先生ついに出演おめでとうございます\(^o^)/。